SmartBXコンシェルジュがビルメンにかける想い
―この仕事についたきっかけは?
F.Mさん:半年ほど前までマンションのコンシェルジュを務めていました。ジムや宿泊施設のあるようなところだったので、その予約管理とか、そのほか日常の困りごとを聞くという業務でした。勤務時間が短かったのでフルタイムで働きたいと思い、いまの会社へ転職しました。
Y.Cさん: 以前はIT系の企業でシステムエンジニアとして務めていて、教育系アプリの開発などに1年ほど携わっていました。そのあと、ソフトバンクロボティクスに移って、しばらく現場でのロボット導入支援を担当したあと、昨年5月にSmartBXへ出向してからコンシェルジュになりました。
―「コンシェルジュサービス」とはどのような業務内容なのですか?
F.Mさん:「清掃してほしい、電球が切れた、水が出なくなった」など、ビル内のお困りごとを聞いて清掃や設備などの協力会社に解決を依頼するという、テナントさんとビル管理さんの間を取り持つ新しいサービスです。いまは二次元コードでお問い合わせの通知や完了報告ができるようになっています(資料1参照)。
会社の立ち上げからのメンバーなので、最初は何もかたちのない状態からコンシェルジュという役割を築きながら、現場の人たちに認知してもらう必要がありました。地道に挨拶運動をするとか、コンシェルジュという人がいるということを、まず知ってもらうところからのスタートでしたね。コンシェルジュが現場に入って「より良くしていきましょう」と密なコミュニケーションを取ることで、最初は不安に思われていた方にも二次元コードやロボットの便利さを理解していただけて、いまは施設の利用者にもデジタルに慣れてきてもらえたと感じております。
―現在の担当業務は?
F.Mさん:コンシェルジュとして、この撮影場所のフロアと5階で、朝8時から清掃、午後はお困りごとを聞いたり執務室でPC作業などを行っています。清掃はもともと好きなので苦にはならないのですが、フロアが広いので場所によってはロボットも稼働させています。とても助かっていて、いまはロボットなしでは考えられないですね。
Y.Cさん:現在は東京駅周辺の3つのビルを朝9時から18時まで各3時間ずつくらいの感じで巡回しています。目につくところの清掃を行いつつ、お問い合わせがあれば駆けつけて設備や清掃スタッフの方と連携して対処します。もちろん、ロボットについてのお困りごとにも対応しています。
―制服にも特色がありますね。
F.Mさん:ユニフォームについては評判がいいですよ。清掃よりではない親しみやすい服装が、みなさまが声をかけやすいきっかけをつくってくれているのかなと感じています。
Y.Cさん:私は帽子とベストを着たら自分にコンシェルジュのスイッチが入るような感じがありますね(笑)
―このお仕事のやりがいは?
F.Mさん:清掃以外でも「文房具がなくなりました」とか、何でもお受けするようにしていて、やはり「ありがとう」とおっしゃってもらえることが励みになりますね。現場は良い方ばかりで、こちらが教えていただくことが多いです。
Y.Cさん:日頃の挨拶はもちろん、お花を飾ったり手書きのメッセージボードをつくったり、気持ちが伝わることを重視しています。現場の方がコンシェルジュの仕事をきちんと見てくれていて、「こういうことをしてくれているのね」とお言葉をいただけるのがうれしいですね。
―お互いの印象は?
F.Mさん:Y.Cさんはとてもかわいらしいというか、いままで自分の周囲にはいなかったタイプの人ですね。返してくれる言葉だったり、自分が落ち込んでいるときにやわらかく接してくれたり、周りの人を楽しくしてくれます。私も見習いたいなと。
Y.Cさん:うれしい! F.Mさんはもともとコンシェルジュをされていたので、清掃の方とかと関係性をつくるのがすごくお上手なんです。難易度の高そうな依頼も鮮やかに解決されるので、日々勉強させてもらっています。人間性もすばらしいです。
―今後の目標をどうぞ。
F.Mさん:最近は「コンシェルジュさん」ではなく名前で呼んでいただけることも増えましたので、わたしたちの存在をもっと近くに感じてもらえるようにしたいと思います。
Y.Cさん:ご連絡をもらう窓口として、そして仲介役として、ビル空間の関係性を深めていくコンシェルジュという職種をもっともっと確立させていけたらいいなと思います。
※本文については「月刊ビルクリーニング2023年12月号」より転載。一部変更しております。